タスク管理の哲学
タスクは意識しているか、していないかに関わらず私達の身に絶えず降り注ぐ。
これは、私の言葉です。私はこうも言いました『絶えず降り注ぐタスクを管理しないとすれば、それは人生を放棄するに等しい』と。
タスクとは何か
taskという単語を英和辞典で引くと次のように出てきます。
【名】
〔与えられた〕任務、課題
〔一定期間内に終えるべき〕仕事、職務
〔重要な〕役割、目的
《コ》タスク◆コンピューターが処理する仕事の単位◆
果たして私達が「タスク」と呼ぶ時、どれを指しているのでしょうか。
人によってタスクの意味は異なります。よって英和辞典が正しいとも限りません。私の場合は、タスクとは「一定期間に終えるべき課題・仕事・職務・欲望の最終単位」だと思っています。
ここで重要なのは一定期間に終えるべきということです。しかし、期限がないように思えるタスクもあります。でもよく考えてみてください、人生は有限なものです。期限がないように思えるタスクの期限は「死ぬまでに」ということになります。
タスクになり得るもの
次にタスクになり得るものについて考えてみましょう。
「与えられた仕事」は最も分かりやすいタスクです。「明日ゴミの日だから、ゴミを出しておいて」と家族に言われたら「ゴミを出す」というタスクが発生します。
それ以外については非常に難しい問題です。
与えられた仕事以外については、自分で自分に課した課題や、仕事、職務、または自分の「やりたい」という欲望しか無いのではないでしょうか。
つまりタスクは、「与えられた何か」という外部からのものを除けば、あとは自主的なものだということです。
当たり前のことではありますが、このことを忘れている方はたくさんいます。タスクは強いられるものだと感じている方が多いのです。そうではありません、自分のやりたい事もタスクになり得るということを忘れないようにしましょう。
それぞれの比率は人によって異なります。自主的なタスクが10%しかない人もいれば、ほぼ100%自主的なタスクの人もいるでしょう。
タスク管理の目的
ではなぜ私たちはタスク管理をする必要があるのでしょうか。
よく言われていることに、脳を空っぽにするためという理由があります。これは私もその通りだと思います。
「何をすべきだったか忘れた」という状況は、かなりストレスフルなものです。わざわざ100段の階段を登ったけど、何をするためにここに来たのか分からないようなものです。
「するべきことは全て書き留めてある」という状況を作り出すためにも、タスク管理は重要なのです。
「自主的なタスクを増やすため」という理由もあります。
先程述べたように、タスクには外部からのものと自主的なものに分けられます。自分の時間が10%しかない人と、90%が自分の時間だという人、どちらが幸せだと感じるかは考えるまでもありません。
タスク管理は自分の時間を取り戻すためにあるとも言えます。多くの人は自分の時間というとゴロゴロできる時間と思いがちですが、自主的なタスクをこなしている時間=自分の時間なのです。
さらに基本的なことを言えば、タスク管理はタスクを達成するためにあります。
これが究極の目的です。
タスク達成を妨げるようなタスク管理は、本末転倒であり、それをタスク管理とは呼べないということを忘れないようにしましょう。
全てを書き出す
タスク管理において最も大切なことは、全てのタスクを書き出すということです。
これを出来ない場合、タスク管理は中途半端なものになります。中途半端なものになったらどうなるか。ここに「やるべきことは全て書いてない」という状況が生まれ、タスク管理に対する信頼が自分の中で失われます。
タスク管理は信頼が失われた途端に、タスク管理は逆にストレスになるのです。
有名なGTDでは「収集」に数時間を掛けるよう勧めています。しかし、これだけの時間集中してタスクを書き出すのは至難の業です。そこで、トリガーリストを活用することをおすすめします。
トリガーリストは、日々改善していくことが大切です。あなたの生活に即した、オリジナルのトリガーリストを作ることができれば収集は苦ではなく、脳をすっきりさせる時間になるでしょう。
タスク管理ツールで譲れないこと
タスク管理ツールにおいて、譲れないことが3つあります。
どこでも見れる・書ける
タスク管理はどこでもタスクを見れる、そして書き込めるツールを使うことが求められます。
あなたが毎日必ず持ち歩くものである必要があります。手帳でもいいですし、iPhoneでも構いません。
大切なことは、持ち歩くことがストレスにならないもので、街中でも確認して書き込む作業ができるツールを使うことです。大きすぎる手帳などは不向きかもしれません。
Doit.imやWunderlist、Todoistなどのサービスを使用すれば、iPhoneでもiPadでも、会社のPCでもタスクを確認し追加することが出来ます。一般的に、アナログな手帳よりも利便性が高くタスク管理には適しています。
先延ばしできる
タスク管理では、タスクの先延ばしという作業が発生します。
先延ばしは決して悪いことではありません。リスケジュールと言えば、その罪悪感は少し和らぐのではないでしょうか。
先延ばしがし易いツールを使うことが、タスク管理には求められます。手帳であれば、少しやりにくいですね。付箋などを使ってみるといいかもしれません。
iPhoneやPCなどで利用できる、タスク管理ツールは複数ありますが、この先延ばしをやりやすいという条件に当てはまるものは少ないのが現状です。それなら付箋のほうがいい気がするというレベルのものばかりです。
唯一、Todoistだけこの先延ばしが容易に行えるツールだと思っています。
このように様々な先延ばしの設定ができるので、先延ばしがストレスになりません。
フィルタリングできる
タスク管理では、フィルタリングを行う必要があります。
フィルターの種類は様々です。例えば次のようなフィルタリングを行うのが一般的です。
- 期限が今日のもの
- 期限が明日のもの
- 期限が1週間以内のもの
- 期限の設定がないもの
- 優先度が高いもの
- 他人に割り当てたもの
- 自分に割り当てられたもの
- 会社で行うもの
- 自宅で行うもの
このように「期限」「優先度」「割当」「場所」など様々なフィルターを設定するのが、タスク管理というものです。
どのような意味があるのかというと、例えばとても忙しい日があったとします。時間は限られていますので、期限が今日のタスクを全てこなすのは不可能です。そういうときは「優先度が高いもの」だけをフィルタリングするのです。
逆に会社で時間が余った時は、「会社で行うもの」でフィルタリングして見ると良いでしょう。
アナログでタスク管理する場合は、ペンの色や付箋の色を変えるなどの工夫が必要です。
Todoistを使えばフィルター機能を使うことで、この問題は解決します。
プロジェクトとゴール
タスクとは最初に述べたように、一定期間に終えるべき課題・仕事・職務・欲望の最終単位です。
最小単位ということはその上には、何かがあります。その何かが「プロジェクト」です。全てのタスクは何らかのプロジェクトに属します。
タスク管理においてプロジェクトを設定しないこともありますが、それでもタスクは何らかのプロジェクトに属することを忘れないようにしましょう。
また、全てのプロジェクトは何らかのゴールに属します。これも大切なことです。
ゴールはより壮大な人生の目標です。例えば「有名になる」というゴールがあり、「2020年までに小説を出版する」というプロジェクトを設定し、「○○の試料を集める」というタスクを設定します。タスクはより具体的なものである必要があることがわかります。
人の真似をしない
タスク管理は、誰かのやり方を100%真似してはいけません。
あなたにはあなたの生活リズムがあり、性格も異なります。100%正しいタスク管理方法など存在しません。
私も今後自分自身で確立したタスク管理方法を紹介すると思いますが、それは私に合ったタスク管理方法であり、あなたに合うとは限らないのです。
タスク管理において、繰り返しにはなりますが、最も大切なことはストレスを感じないことです。
ぜひ、この記事をたまには読み返していただき、自分にあったタスク管理方法を確立してください。